腐葉土

ひと冬を過ぎて
庭に降りつもったカエデの葉が
土に還るのを待っている
梢に在ったかたちのままで
空にひるがえる記憶をとどめている
モズの鳴き声や雨音さえも
葉脈に刻み込まれている

暖かくなる前に
変色し崩れ落ちるだろう
雨水とともに
その記録も分解され
土に吸い取られていく

(このまま生まれ変われるか)

目覚めると
庭にはびこる青い反乱
カラスノエンドウ
オオイヌノフグリ
それら草にまぎれ
横たわったまま
じっと土に還るのを待っている

サクサクと音を立てながら
木だけが膨張する
何事もなかったかのように