008

来訪の神

宮崎市糸原にある倉岡神社の御神幸の先導役として登場するハレハレは、赤と白の鬼面をつけ、棕櫚皮の蓑を着て、全身をカズラでおおい、長さ二メートルの青竹を引きずりながら、練り歩く。 異形の神である。 このハレハレは南島諸島から東南アジアに広がる仮装仮面の祭事に似ており、折口信夫の追究したマレビト(来訪神)を彷彿とさせる。 村人たちは恐怖とも興味ともつかぬ形で異形の神、来訪の神を待った。 その緊迫した空気が来訪神の神髄といってよい。 年に一度、来訪の神がこの世に豊かさと危うさをもたらしにやってくる。 人びとは、その訪れた時の異質な空気で世界が更新することを直観し、伝承してきたのである。

『ひむか伝承異聞』所収

棕櫚皮の蓑を着て、全身をカズラで覆った鬼、ハレハレ

008

/

012